強ければ強いほど崩れゆく内側から☆彼方へ 〜 East End 〜

kohya_hibiki+spirituality2015-12-01



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アテナイの住民は私的な利益を尊重するが、それは公的利益への関心を高めるためでもある。なぜなら私益追求を目的として培われた能力であっても、公的な活動に応用可能であるからだ。
wikipedia:ペリクレス


かつて、われわれが、スパルタとの良好な関係を築いていた時、ペルシャという共通の敵がいた。


どうやら、この話国にも、全てを話し合いで解決するとは言っても、敵がいるようだ。それは話し合わない人間たちのことだ。


ブルータス、おまえは、話の通じない相手がこの世に存在すると思うか?


いえ、ピュロン卿様。戦争をするということは、認められたい、あるいは認めさせたいという欲求を持っているはずであり、その部分を満たしてあげれば、いかなる野蛮な集団といえども、話し合いは成立するでしょう。その証拠に、このデロス同盟をご覧ください。一部のポリスは野蛮人の集まりです。しかし、彼らは自分たちの国を持っているという自尊心を満たされたがゆえ、戦争を抑制しています。戦争の根源とは、”認知”なのです。



さすがだ、ブルータス。お前のような優秀なものがいる限り、このアテナイは安泰だ。たとえ、スパルタがこのアテナイに対抗して来ようとも、われら、天空のアクロポリスにはかなわない。この知性こそデロスを治める知性なのだ。



しかし、ピュロン卿、安心し過ぎてもいけませぬ。かの東方にはハガネでも征服できないワコクという国があるとか。なんでも武器を持ちませぬが、”天空の釣鐘”という巨大な祭器で武器に対抗しているようです。それらの国々がペルシャと組めば、われわれが高い知性を持っていたとしても、危機が訪れることもあるかもしれません。油断は禁物でございます。


わかっておる、ブルータス。東方のエデンには、かのバビロニアの祖先、黒髪・黒瞳の神族が棲むと聞く。今度のスパルタとの一戦が終われば、船団を派遣するつもりだ。先代より伝わる古文書には、ツルギ、モノベとだけ記されておる。それが何を意味するのか、全くわからないが、われらの先祖がそこへ出向きなんらかの接触をおこなって帰ってきておる。意思疎通ができるそれなりの知性を持っている民族と見ても良い。かのヒッタイトの神刀ムラクモを携行させ、東方へ向かわせる。



ヨウウのばばは、”おぬしの死後、デマゴーグアテナイを支配し、簡単にこの地はおちる”などと言いおる。全く、狂っている。この盤石なアテナイが一体、どのようにして崩れるというのか。



して、そのデマゴーグ殿は、どのようにしてアテナイを破滅へと向かわせる、とおばばさまはおっしゃっているのでしょうか?



なんでもスパルタとの和平案を一方的に破棄し、戦争をしかけるという方法で民衆を扇動するというのです。



あははは、そんな馬鹿な。このように毎日、老若男女が政治のことを話し合っているこの地で、そのようなデマゴーグが支持されるはずがありません。ヨウウのおばばのほうが、デマゴーグではありませんか!



そうだ。ばばは最近、なんでも腐ったトマトをよく食べているらしい。だから、少し知性も落ちてるやも知れぬ。


アテナイの未来はもう終わりだ。われわれは、熟した実を食べ過ぎて、知性を高め過ぎた。その罰が降りてきたのだ、だからわしは、腐ったトマトを食べて、少しでもアテナイの女神さまにお赦しを乞う、と。



まったく、困ったものですな。年寄りとは、よくとぼけたことを言うものです。私の祖母なども、”こんなことはいつまでも続かぬ、早いうちに他の地に移るべきだ”と申しております。全く意味がわかりませぬ。自分の国に自信を持ち、他を圧倒していく、今まさに、このアテナイの全盛期ではありませんか。国を広げ、ペルシャに打ち勝ち、われわれのアテナイを中心としたデロス同盟は、この地上すべてを覆い尽くすのです。それがこのアテナイに課された使命。




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