神社結界のアルケー 〜 東西に跨るウブなテロス 〜

人気ブログランキングへ ←← 一日一ぽち、いつもありがとうございます^^


ギリシャ哲学では、万物の根源をwikipedia:アルケーと呼び、終わりをテロスと呼びます。

古来より日本では、これを『あ・うん』と呼んでいます。神社の入り口の狛犬が、片方が口を開き、もう片方が口を閉じているのはそのためです。

その神社結界が、アルケーとテロスによって構築されていたことは間違いがないですが、神社神道が何をアルケーの根源にしていたのかは議論が分かれることと思います。

ヘラクレイトスは「火」を、エンペドクレースは「四大元素」を、ピタゴラスは「数」を、このほかにもたくさんの主張があります。

私は、「四大元素」と「数」を以って捉えています。

(ちなみに「ホツマ」のアワのうたは、アから始まりワで終わります)
さらに深いところを述べると、泡(アワ)はアルケーでもありテロスでもある。その『逆もまた真なり』でアルケーでもないしテロスでもないと言える。つまり、泡の本質というのは実在しない実在の幻想ですよね。古代の人たちはそれが人間存在の本質ととらえていたフシがある。これは信長の”敦盛”にもつながります。それが淡島信仰の本質であり、アフロディーテの泡と相まって、阿波と淡島信仰が和歌山と徳島の間の沼島を中心として日本神話が経典化した可能性は高い。

元々、縄文時代より沼島を中心とした日本神話の形成基層はあったと思われますが、それにwikipedia:アプロディーテーの泡理論が入ってきて、弥生時代の日本人が熱狂した可能性は高い。泡が日本では温泉地の地獄谷の沼地イメージを伴っていると以前書きましたが、沼島ところーりころーり伝説はそれらを補完するものです。

つまり、弥生時代ギリシャ神話が日本に流入してくる以前は、ころーりころーり伝説が存在したかどうかはよくわからない。猿田彦自体も日本の信仰と地中海付近の信仰が融合した可能性が高いもの。

ちなみに阿波一之宮・大麻比古神社では、ころーりころーりをやっているのは、猿田彦である。


私たちがサブカルチャー的に使っている用語を上げるならば、"beginning"がとらえやすいのではないかと思います。私たち日本人がビギニングをイメージする時、なぜかそれらが”ご縁”によって起こると思っているフシがある。”ご縁”というのは言い換えれば”ご円”ですから、図形的にはテロスじゃないかなと思います。つまり日本人はアルケーが点でテロスを円ととらえている。それが日本人にとっての"beginning"なんです。

これを深い深い部分まで掘り下げていくと、「北極星」が浮かび上がってくるのです。



日本神話は、多くの場合、「数」をアルケーとすれば解けると思います。

ただ日本の場合は、ギリシャ哲学の要素と星の数が神話的に組み込まれたアルケーを持っています。

天から3つの星が降ってきて、それが神になった。というのはかなり古いです。

これが宗像3女神の元々の信仰ですが、ユーラシア大陸から入ってきた3女神の信仰と融合して近代化するのですが、それ以前の信仰というのは恐ろしく古いです。オリオンが北極星だった時代があったんじゃないかと思います。日本においては、三体妙見が北極星信仰のアルケーです。


その「3」に「5」を加えた「8」が古代の最大を表す数ですから、これも独特な数理論です。

「5」は、wikipedia:五芒星ですから、また星になります。つまり、八王子そのものが”星”ということにもつまがりますよね。

ピタゴラス教団も、安倍清明メソポタミアでもエジプトでも用いられていました。

シュメールでは”ウブ”と呼び、エジプトでは子宮をも意味し、日本語ではウブは”産む”の意味がありますから、ユーラシアの東と西で恐ろしく一致してます。

”みあれ”のことは以前のブログからも散々、やってきましたので書きませんが、山を女性とみなして胎内巡りをやったり、星をきったりしていた修験や陰陽師はそのままシュメールとかエジプトとか言ってもそれほど違わないと思います。

古代日本人は、ピタゴラス理論も知っていたけど、あえてそれを取り入れなかったというところがすごいと思います。より原始的な領域へと復古神道のような反動で回帰したんだと思います。この弥生の国風化というのは東四国で始まっています。

江戸時代くらいまでは、神が存在するとされる場所は厳格に禁足地にされていましたから、それを拝むための拝殿が神社神道として整備され始めて、人間が神を論理的に理解し言葉にするためにアルケーとしての「数」が拝殿内に張り巡らされたのではないかと思います。この「数」を扱うことができるのは男の巫女でしょうから、陰陽寮のように大きな力を持ったのではないでしょうか。


あまり知られていない日本古代の本当の姿

「草」の文明、「音」の文明、「数」の文明





人気ブログランキングへ ←← 一日一ぽち、どうぞよろしくお願いします^^