Darkside medicine〜自分だけを大切にしたいから〜


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かの勇壮な東の帝国はあっけなくも崩れさった。皆が“自分を大切にしたいから”というあたかも正しいかのようなエゴ哲学が蔓延したためである。結果、公(おほやけ)の政治と民主主義、そして何よりも、自由を保障する王までもが“自分を大切にしたいから”と言い、財の限りを尽くし、酒池肉林の世界へと身を投じた。民もまたそれを糾弾する理由を持たなかった。なぜならば民の中にも“自分だけを大切にしたいから”→“自分さえ良ければ善い”というダークサイドが拡大していたからである。


その東の帝国のさらに向こう側、極東の島国に黄金(おほやけ)はあった。




『ハシュレイ卿、諸ポリスの民主主義連帯の中から生まれた“権力を手にしたいという欲望”、このヤマウタの国々より海を隔てた西の大陸に蔓延しております。なんでも民や王までもが“自分”のことしか考えないまるで“野生のケモノ”のような考えを持っているようでございます。町にはゴミが散乱し、公の職に就くものは“自分を大切にしたいから”という理由で決められたこともやらないそうです。まだかの国には十全な貨幣制度がないため、お金のために働くという価値観もなく、人々は労働に対する意欲もないようです。それを考えるとここのヤマウタの民たちは、異質であると言えます。特に自分に返ってくるわけでもないのに社会全体のために尽くそうとするあの献身性、自己犠牲観、我々と同じ、高い意識と哲学を持っているように思います。労働とは神であり、貨幣はその対価。この順序を間違える民族は滅ぶのが必定。しかしヤマウタは決してこの順序を間違えない高潔な民。私たちはその民を滅ぼそうとしています。ハシュレイ卿、私たちの選択は本当に正しいのでしょうか。彼女等ともう一度、共に生きていく道を模索できないのでしょうか。。』



『ナインティアン、お前の言う通り我々はあの高潔な民を滅ぼそうとしている。その理由は前にも言った通りだ。彼女等がイリアス帝を受け容れると思うか。攻撃的融合を前面に押し出しつつも彼女等のミカド“じんぐう”の高潔かつ豪傑さを見たか。平和主義の中に見える好戦性、何度考えてもイリアス帝の系譜が正しく継承されるとは思えんのだよ。彼女等の隠れた好戦性は我々がイリアスの海で何度も敗退したアマゾネス一族との戦いを喚起させる。』


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