坂 遠ざかる 境の盛り
1昨日の『天離る(あまざかる)』について
現代語で言うところの『遠ざかる』が最もその感覚的に近いと思います。『遠ざかる』というのが「遠い」とは違う感覚を与えるというのはおわかりになる方は多いと思います。
これには古語で頻繁に使われた『坂』の効能も入っています。黄泉比良坂(よもつひらさか)は有名ですよね。よもつは本来は四方津ですから、四方が坂になっているのでピラミッド山ということでしょう。
他に『ざかる』は「栄える」などの意味もあったように思います。弥栄(いやさか)などもそうでしょう。つまり、坂の上の高天原から神が転がってくるというような感覚でしょう。
大阪とも深い関わりの忍坂(おっさか)。これも結構、『ざかる』に関係あります。これ、猿にも関係してそう。
『さかり(盛り)』なども関係してますね。さらにはこの派生として『さけ(酒)』もそうですよね。「下げる」、「捧げる」、「避ける・裂ける・咲ける・割ける」、全部そうですよね。高天原と大地(葦原中国)をつなぐ坂から生まれたもの。
坂を裏返すと傘(笠)。坂がひっくり返って足元にあった水が天から降ってくるので、カサという言い方が始まった可能性も高い。
変えられない『性(さが)』なんていうのも、イザナギとイザナミの違いに由来するところも大きい。大避神社の坂越(サコシ)はwikipedia:ミシャグジなんて言われますが、ミシャクジも坂がルーツでしょう。丸石が天から転がってくる。もう一度、”A rolling stone gathers no moss(転がる石に苔むさず)”。苔がむさないということはツルツル(鶴鶴)ということ。昨日書いたこけら落としとも関係があるのではないかと思います。
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