ニヒリズムにすら絶望できない虚無を超えて
最悪の事態が起きるまで気付こうとしない人たち
あるいは
現実を認めたくない人たち
気付いているとは言っても
バランスがとれているとは言い難い人たち
どちらもそれなりで
それなりに頑張っていて
破局に向かうのか調和に向かうのか
考えたくもない社会的雰囲気の中で
ただ俺たちは“唄う”
他に一体何が出来るんだ
という懐疑にさらされながら
全てが“嘘”に彩られ
全てが“非現実”に苛まれ
全てが“欺瞞”に操られ
気付いたものは絶望に埋没し
気付かないものは利己的に幸福を得る
考えないことが善となり
考えることはいつしか社会悪となる
誰が言っただろうか
誰に対しても優しくしなければいけないよ
そんな当たり前のことにも天に唾を吐くような世の中
厭世的な感覚さえもネオンと雑音にかきけされ
今日もまた明けていく
『人間とは考えない葦であった』という福音とともに